中小企業におすすめの助成金・補助金を一覧で分かりやすく解説

中小企業こそ助成金を活用するべきです

新型コロナウイルスの影響もあり、国や地方自治体などが実施している助成金や補助金、支援金に注目が集まっています。特に中小企業の経営者にとっては経営が厳しい中、経営を支える為、是非とも活用していきたいところです。

特に助成金や補助金はは中小企業向けが多く、条件を満たせば、審査に落ちることもほとんどなく、返済不要の資金になるので活用しない手はありません。

今回の記事では中小企業におすすめの助成金・補助金を一覧でご紹介し分かりやすく解説していきます。

中小企業が活用する助成金・補助金はメリットだらけ!

助成金は主に厚生労働省、補助金は主に経済産業省や地方自治体が管轄していますが、大きな違いはありません。

助成金は厚生労働省が管轄していることから分かるように「雇用・労働環境を整える」ことに重点が置かれています。
補助金は「経済を回し公益を達成する」ことに重点が置かれています。

助成金も補助金もどちらも返済は不要ですので、基本的にメリットしかありません。ここでは中小企業が助成金・補助金を活用するメリットを見ていきましょう。

助成金・補助金は返済の必要なし!

助成金の財源は雇用保険です。その財源から支給されているので、期間などの定められておらず、支給された後の返済も必要ありません。

助成金は条件を満たせば基本的に受給できます!

厚生労働省が管轄する助成金は条件を満たせば、審査で落ちることはほとんどなくそのまま受給することが出来ます。
もちろん条件が満たしてなければ受給は出来ませんが、しっかりと計画的に進めれば確実に受給することが出来ます。

経済産業省が管轄する補助金は先に計画書を提出し、審査があり、審査を通過し採択されなければ受給は出来ません。採択された後は計画通りに進めていく必要があります。

助成金は職場の環境を整えながら受給できます

助成金は雇用保険から財源が出ていることもあり、条件の多くは職場環境を改善することで受給できるものが多いです。

就業規則を策定したり、アルバイトを正社員にしたり、賃金を改善したり、など、職場の環境を整えながら受給できるものがほとんどです。

助成金の内容を確認しながらと職場の環境を整備して企業を成長させることが可能です。

受給していくことで社会的に信用が上がる!

中小企業の場合、大企業に比べ職場の環境が整っていないケースが多いと思います。助成金を受給する為には国や地方団体が定める基準をクリアしなければなりません。そういった基準をクリアしながら企業を経営していけば、銀行などの金融機関からの社会的信用を得られるのは大きなメリットになります。

助成金は何に使っても大丈夫です!

助成金は支給されたお金の用途は制限されません。経営の資金にしてもいいし、借金の返済に充てても問題ありません。あらゆる用途に使用していいのは大きなメリットになります。

補助金の場合は計画書を予め提出して、その計画通りに進めていく必要があるので用途としては限られてきます。

中小企業が活用できるおすすめの助成金の一覧

ではここからは中小企業が活用出来るおすすめの助成金・補助金をご紹介してきます。ハードルが高いものから低いものまで様々な助成金がありますのでしっかりと確認してください。

両立支援等助成金

両立支援等助成金は家庭と仕事を両立できる職場環境づくりを支援するための助成金です。
両立支援等助成金には下記の五つのコースがあります。

介護離職防止支援コース

概要

「介護支援プラン」を策定し、プランに基づき労働者の円滑な介護休業の取得・復帰に取り組んだ中小企業事業主、または介護のための柔軟な就労形態の制度を導入し、利用者が生じた中小企業事業主に支給する。

最大受給額:88.5万円/1名

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

概要
男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備を行い、子の出生後8週間以内に、男性労働者の育児休業制度の利用があった事業主に対して助成。

最大受給額:75万円

育児休業等支援コース

概要
育児休業の円滑な取得・職場復帰のため次の取組を行った事業主に支給する。

最大受給額:60万円

不妊治療両立支援コース

概要
妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度(*)の利用しやすい環境整備に
取り組み、企業トップが制度の利用促進についての方針を労働者に周知し、不妊治療を
行う労働者の相談に対応し、休暇制度・両立支援制度を労働者に取得又は利用させた中
小企業事業主に支給する

最大受給額:36万円

新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による

概要
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師等の指導により、
休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給(年次有給休暇で支払われ
る賃金相当額の6割以上)の休暇制度(年次有給休暇を除く)を設け、新型コロナウイ
ルス感染症に関する母性健康管理措置の内容を含めて社内に周知し、当該休暇を合計
20日以上労働者に取得させた事業主に支給する。
最大受給額:28.5万円

キャリアアップ助成金

助成金の中で一番メジャーで活用されることが多い助成金です。

その名の通り、有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者を正社員にすることによってい、助成金を受給することが出来ます。

キャリアアップ助成金はさらに7つのコースに細分化されています。

正社員化コース

条件
有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換又は直接雇用
最大受給額
57万円

障害者正社員化コース

条件
障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換
最大受給額
120万円

賃金規定等改定コース

条件
有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し2%以上増額
最大受給額
12万円(1人辺り)

賃金規定等共通化コース

条件
有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用
最大受給額
57万円

賞与・退職金制度導入コース

条件
有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し支給又は積立てを実施
最大受給額
48万円

選択的適用拡大導入時処遇改善コース

条件
選択的適用拡大の導入に伴い、短時間労働者の意向を大切に把握し、被用者保険の適用と働き方の見直しに反映させるための取組の実施
最大受給額
24万円

短時間労働者労働時間延長コース

条件
有期雇用労働者等の週所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険を適用
最大受給額
28万4000円(1人辺り)

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

最大受給額:120万円

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は終了経験や

社会経験が乏しく、応募しようとしている業種の知識や技術が乏しい人材を雇用した場合に最大3カ月間助成金が支給されます。注意点としては必ずハローワークを通し雇用をする必要があります。

雇う側は応募者の適性をしっかりと見れるといったメリットがあり、応募者側も未経験の業種に応募がしやすくなったり、試用期間中にその企業を見極めることが出来ます。

トライアル雇用助成金には一般トライアルコース・新型コロ
ナウイルス感染症対応トライアル・新型コロナウイルス感染症対応
短時間トライアルコースの三つのコースがあります。

一般トライアルコース

条件
紹介日前2年以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している者など、一定の条件を満たしたものをハローワークを通じて雇い入れる
最大受給額
5万円/一月(最大三か月)

新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース

条件
一般トライアルコースとほとんど同じですが、条件がややかんわされています。
最大受給額
5万円/一月(最大三か月)

新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース

条件
新型コロナウイルス感染症対応トライアルコースとほとんど同じですが、勤務時間が20時間~30時間の求職者にっているので短時間勤務の求職者も対象になります。
最大受給額

3.12万円/一月(最大三か月)

障害者トライアル雇用助成金

障害者トライアル雇用助成金は内容としてはトライアル雇用助成金と同じです。違いはハローワークを通じて障碍者を雇い入れした際に助成金が支給されます。

障害者トライアル雇用助成金には障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコースの二つのコースがあります。

障害者トライアルコース

条件:就職が困難な障害者を一定期間雇用
最大受給額:8万円/月(最大三か月)

障害者短時間トライアルコース

条件:基本的には障害者トライアルコースと同じです。違いは勤務時間が10~20時間の求職者が対象で期間中に20時間以上の労度を目指します。
最大受給額:4万円/月(最大12カ月)

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して助成します。魅力ある雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的としています。人材確保等支援助成金は下記の九つのコースがあります。

雇用管理制度助成コース

概要
雇用管理制度(諸手当等制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度及び短時間正社員制度(保育事業主のみ))の導入・実施を通じて従業員の離職率の低下に取り組む事業主に対して助成します。

最大受給額:72万円

介護福祉機器助成コース

概要
労働者の身体的負担を軽減するため新たな介護福祉機器の導入等を通じて従業員の離職率の低下に取り組む介護事業主に対して助成します。

最大受給額:上限150万円

中小企業団体助成コース

概要
改善計画の認定を受けた中小企業団体(事業協同組合等)が構成中小企業者のために、人材確保や従業員の職場定着を支援するための事業を行った場合に助成します。

最大受給額:1,000万円

人事評価改善等助成コース

概要
生産性向上に資する人事評価制度を整備し、定期昇給等のみによらない賃金制度を設けることを通じて、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成します。

最大受給額:80万円

建設キャリアアップシステム等普及促進コース

概要
建設事業主団体が実施する次の事業に対して助成します。

【助成金額】
最大受給額:経費に対して最大2/3

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

概要
1 若年および女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を行った建設事業主または建設事業主団体
2 建設工事における作業についての訓練を推進する活動を行った広域的職業訓練を実施する職業訓練法人 に対して助成します。

最大受給額:経費に対して最大3/4

作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

概要
1 被災三県に所在する作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅を賃借した中小建設事業主
2 自ら施工管理する建設工事現場に女性専用作業員施設を賃借した中小元方建設事業主
3 認定訓練の実施に必要な施設や設備の設置又は整備を行った広域的職業訓練を実施する職業訓練法人 に対して助成します。

【助成金額】
最大受給額:経費に対して最大3/4

外国人労働者就労環境整備助成コース

概要
外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備(就業規則等の多言語化など)を通じて、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して助成します。

【助成金額】
最大受給額:72万円

テレワークコース

概要
良質なテレワークを制度として導入し実施することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業事業主に対して助成します。

最大受給額:経費に対して最大35/100

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、労働者の職業生活設計の全期間を通じて段 階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が 雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得 をさせるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費 や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

特定訓練コース

概要
雇用する正社員に対して、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、若年者への訓練、労働生産性向上に資する訓練等、訓練効果の高い10時間以上の訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成

最大受給額:1訓練当たり20万円

一般訓練コース

概要
雇用する正社員に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための20時間以上の訓練(特定訓練コースに該当しないもの)を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成

最大受給額:480円(1時間辺り)上限500万円

教育訓練休暇等付与コース

概要
有給教育訓練休暇等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成

最大受給額:24万円

特別育成訓練コース

概要
有期契約労働者等の人材育成に取り組んだ場合に助成

最大受給額:1訓練当たり10万円

建設労働者認定訓練コース

概要
建設事業主等に対する助成金は、以下の (1) ~ (12) の助成コースから構成されており、建設事業主や建設事業主団体等が、建設労働者の雇用の改善や建設労働者の技能の向上等をはかるための取組みを行った場合に助成を受けることができます。

最大受給額:経費に対して最大1/6

建設労働者技能実習コース

概要
建設事業主等に対する助成金は建設事業主や建設事業主団体等が、建設労働者の雇用の改善や建設労働者の技能の向上等をはかるための取組みを行った場合に助成を受けることができます。

最大受給額:8550円/1人1日

障害者職業能力開発コース

概要
障害者の職業に必要な能力を開発、向上させるため、一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行う事業主又は事業主団体に対してその費用を一部助成することにより、障害者の雇用促進や雇用の継続を諮ることを目的としています。

最大受給額:経費に対して最大3/4(補助上限5000万円)

人への投資促進コース

概要
デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成

最大受給額:経費に対して最大3/4(上限1500万円)

事業再構築補助金

事業再構築補助金は新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した企業が新たな分野に挑戦する場合や事業転換など思い切った事業の再構築を目指す中小企業を支援する助成金です。

補助金額は最大1億円と採択されれば大きく事業を再構築することが可能です。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

概要
のづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数
年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイ
ス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作
品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。

最大受給額:3000万円

IT導入補助金

概要
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。

最大補助額:450万円

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金(=持続化補助金)は、小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。

小規模事業者持続化補助金には下記の六つの枠があります。

通常枠

通常枠の対象
小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取組を支援。
最大補助額
50万円

賃金引上げ枠

賃金引上げ枠の対象
販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者
※赤字事業者は、補助率 3/4に引上げるとともに加点を実施。
最大補助額
200万円

卒業枠

卒業枠の対象
販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者
最大補助額
200万円

後継者支援枠

後継者支援枠の対象
販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリストに選ばれた小規模事業者
最大補助額
200万円

創業枠

創業枠の対象
産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者
最大補助額
200万円

インボイス枠

インボイス枠の対象
免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業者
最大補助額
100万円

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    良くある質問

    助成金の審査に落ちることはありますか?

    助成金の性質上、条件を満たしていれば審査に落ちることはまずありません。

    受け取った助成金は自由に使えますか?

    補助金などとは違い助成金の用途は縛られていません。お好きな用途に使えます。